講演内容の概要
①東日本大震災の概要
・交通網の緊急復旧
過去の経験からの学ぶことの有効性(対震対策が取られていたことでの早期復旧)、複数ルート(日本海側)を持つことの有効性が証明された。
・津波被災状況
市街地部の約3割が浸水
・地盤沈下の状況
牡鹿半島の先端を中心に横にずれながら沈下大潮の時に日常的に冠水する状況も発生
②政府の復興に向けた主な動き
・東日本復興構想会議開催閣議決定(4/11)
・平成23年度第一次補正予算成立(5/2)
調査費71億承認
・東日本大震災復興基本法制定(6/24)
東日本大震災対策本部の設置
・中央防災会議専門調査会中間とりまとめ(6/26)
津波対策の基本的な考え方(減災の考え方)を2つの津波を想定しとりまとめ。
L1:発生頻度は高く、津波高は低いものの大きな被害をもたらす津波
→ 海岸保全施設等については、設計対象の津波高を超えた場合でも施設の効果が粘り強く発揮できるような構造物の技術開発を進め、整備していくことが必要
L2:発生頻度が極めて低いが発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラス津波
→ 住民の避難を軸に、土地利用、避難施設、防災施設などを組み合わせて、ソフト・ハードのとりうる手段を尽くした総合的な津波対策の確立が必要
・平成23年度第二次補正予算成立(7/25)
小規模な予算。公共事業の大きなものは第三次補正予算になる。
・東日本大震災からの復興の基本方針決定(7/29)
−復興を担う行政主体は市町村が基本。
−被災しても人命が失われないことを最重視し、減災の考え方に基づき災害に強い地域づくりを推進
③国土交通省の復興に向けた主な動き
○国土交通省の全体の取り組み
・被災者の生活再建と安定
居住と交通の確保の推進
・新たな発想による復興まちづくり
−地域の状況に応じたまちづくり
−ハード・ソフトの施策を統合した
「津波防災まちづくり」
「一線防御」から「多重防御」へ
・地域の産業・経済の再生とそれを支える都市・交通基盤
・災害に強い国土構造への再構築
○まちづくりとしての取り組み
・津波被災市街地復興手法検討調査
6県62市町村対象
被災現況等の調査・分析、市街地復興パターンの検討、復興手法等の検討
・設計津波の水位の設定
まちづくり策定のためには、復旧が行われる海岸堤防の高さが明らかにすることが重要。
−地域海岸ごとに設定することを基本
−過去に発生した津波の実績と、必要に応じて実施するシミュレーションに基づくデータを用いて一定頻度で発生する津波の高さを想定し、その高さを基準として海岸管理者が設定
上記の内容をパワーポイントおよび配布資料を使用して分かりやすくご説明をいただき、ご講演後の質疑応答も活発に行われました。
本シリーズについては、国土交通省・関係各課にご協力をいただきながら今後も進めて参ります。 |