23年度第2回講演会「東日本大震災への対応について」(平成23年11月9日開催)

第23回技術研究発表会の論文発表に引き続き、鎌田 秀一 国土交通省都市局市街地整備課拠点整備事業推進官から「東日本代震災への対応について」と題して、東日本大震災の被災状況、復興の基本方針・関連施策、復興特区制度の概要について講演をいただきました。

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第13回合同講演会の開催(平成23年10月12日開催)

都市みらい推進機構、都市地下空間活用研究会及びアーバンインフラ・テクノロジー推進会議(UIT)の三者合同による第13回目の講演会を、10月12日(水)都市計画会館において開催いたしました。今回は、都市計画課・街路交通施設課の山田整備室長をお迎えし、『都市交通関連施策の最近の動向について』と題してご講演をいただきました。

講演内容の概要
1. 日本の都市の現状と課題

①都市を取り巻く社会経済情勢の変化

②都市交通の課題

2. 成長戦略 

①政府「新成長戦略」

〜「元気な日本」復活のシナリオ

②国土交通省成長戦略会議報告

3. 交通基本法案 

「交通基本法の制定と関連施策の充実に向けた

基本的な考え方(案)」のポイント

4. 都市交通戦略の取り込み

①21世紀のまちづくりの目標

②都市構造の再編

③総合的何都市交通の戦略に基づく取組

5. 社会資本整備総合交付金の概要と都市交通分野での活用

①社会資本整備総合交付金の特徴

②社会資本整備総合交付金のイメージ

6. 自転車対策

①都市交通における自転車の位置づけと課題

②走行空間整備

③駐輪対策

④コミュニティサイクルについて

7. 環境対応者

8. 健康・福祉のまちづくり

9. 都市交通の最新の技術事例

①架線レスLRV

②堅い踏切

③直上方式

上記の内容をパワーポイントおよび配布資料を使用して分かりやすくご説明をいただき、ご講演後の質疑応答も活発に行われました。


第12回合同講演会の開催(平成23年8月4日開催)

都市みらい推進機構、都市地下空間活用研究会及びアーバンインフラ・テクノロジー推進会議(UIT)の三者合同による第12回目の講演会を、8月4日(木)アルカディア市ヶ谷(私学会館)において開催いたしました。今回は、今一番ホットなテーマである東日本大震災に関して、都市計画課・都市計画室長の渡邉室長をお迎えし、『東日本大震災復興まちづくり支援の取組み』と題して、①東日本大震災の概要、②政府の復興に向けた主な動き、③国土交通省の復興に向けた主な動きについてご講演をいただきました。

講演内容の概要
①東日本大震災の概要

・交通網の緊急復旧

過去の経験からの学ぶことの有効性(対震対策が取られていたことでの早期復旧)、複数ルート(日本海側)を持つことの有効性が証明された。

・津波被災状況

市街地部の約3割が浸水

・地盤沈下の状況

牡鹿半島の先端を中心に横にずれながら沈下大潮の時に日常的に冠水する状況も発生

②政府の復興に向けた主な動き

・東日本復興構想会議開催閣議決定(4/11)

・平成23年度第一次補正予算成立(5/2)
調査費71億承認

・東日本大震災復興基本法制定(6/24)

東日本大震災対策本部の設置

・中央防災会議専門調査会中間とりまとめ(6/26)

津波対策の基本的な考え方(減災の考え方)を2つの津波を想定しとりまとめ。
L1:発生頻度は高く、津波高は低いものの大きな被害をもたらす津波

→ 海岸保全施設等については、設計対象の津波高を超えた場合でも施設の効果が粘り強く発揮できるような構造物の技術開発を進め、整備していくことが必要

L2:発生頻度が極めて低いが発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラス津波

→ 住民の避難を軸に、土地利用、避難施設、防災施設などを組み合わせて、ソフト・ハードのとりうる手段を尽くした総合的な津波対策の確立が必要

・平成23年度第二次補正予算成立(7/25)

小規模な予算。公共事業の大きなものは第三次補正予算になる。

・東日本大震災からの復興の基本方針決定(7/29)

−復興を担う行政主体は市町村が基本。

−被災しても人命が失われないことを最重視し、減災の考え方に基づき災害に強い地域づくりを推進

③国土交通省の復興に向けた主な動き

○国土交通省の全体の取り組み

・被災者の生活再建と安定

居住と交通の確保の推進

・新たな発想による復興まちづくり

−地域の状況に応じたまちづくり

−ハード・ソフトの施策を統合した
「津波防災まちづくり」
「一線防御」から「多重防御」へ

・地域の産業・経済の再生とそれを支える都市・交通基盤

・災害に強い国土構造への再構築

○まちづくりとしての取り組み

・津波被災市街地復興手法検討調査

6県62市町村対象
被災現況等の調査・分析、市街地復興パターンの検討、復興手法等の検討

・設計津波の水位の設定

まちづくり策定のためには、復旧が行われる海岸堤防の高さが明らかにすることが重要。

−地域海岸ごとに設定することを基本

−過去に発生した津波の実績と、必要に応じて実施するシミュレーションに基づくデータを用いて一定頻度で発生する津波の高さを想定し、その高さを基準として海岸管理者が設定


上記の内容をパワーポイントおよび配布資料を使用して分かりやすくご説明をいただき、ご講演後の質疑応答も活発に行われました。
本シリーズについては、国土交通省・関係各課にご協力をいただきながら今後も進めて参ります。


23年度第1回講演会「大震災と復興対策」(平成23年6月9日開催)

第1回定例講演会を6月9日(木)UITの総会後にアルカディア市ヶ谷にて開催いたしました。今回は、当推進会議の会長である伊藤滋早稲田大学特命教授に、『大震災と復興対策』と題し、ご講演をいただきました。講演では、原発問題、さらには今後の人口減等の国家の危機管理を考えた、これまでとはまったく違う国土計画を組み立てるべきであると強調され、福島第一原発の事故に対して、①放射能汚染地区(飯舘地区等)②より広域地域スケール(福島市内まで汚染された場合)、③国土スケールの3つの観点から、どのように復興計画を考えるべきかを詳しくお話しいただきました。

講演会終了後には、国土交通省の方々にもご参加いただき、会員の皆様方との意見交換会を実施し、盛況裡に実施することができました。


第11回合同講演会の開催(平成23年5月30日開催)

都市みらい推進機構、都市地下空間活用研究会及びアーバンインフラ・テクノロジー推進会議(UIT)の三者合同による第11回目の講演会を、5月30日(月)に都市計画会館会議室において開催いたしました。今回は、市街地整備課の荒川企画専門官をお迎えし、『大都市の国際競争力の強化や地方都市の再生に向けた大街区化の推進』と題して、①大街区化の必要性、②大街区化ガイドライン、③大街区化の論点、④大街区化の先行・進行中の事例についてご講演をいただきました。

講演内容の概要
①大街区化の必要性

・虎ノ門、大丸有地区、マンハッタンにおける道路の占める割合、街区の大きさ
・街区の大型化と公共施設の再編を一体的に行うことで、交通、緑地・空地・エネルギー等の機能が向上し、都市の再構築に資する拠点を形成

②大街区化ガイドライン

・大街区化ガイドラインのポイント

−大街区化の有効性と課題の整理

−大街区化実施にあたっての配慮事項(公益性の事前明示の有効性、公共施設の機能の評価の考え方、民有地状の施設における担保手法、公共用地の処分における留意事項)

−市街地整備手法による大街区化の有効性と留意点

・大街区化を行う際の流れとガイドラインにおける対応。

③大街区化の論点

土地区画整理法第二条での公共施設と土地の関係、公共施設の整備改善(機能と面積の関係)について。

④大街区化の先行・進行中の事例の紹介

・公共施設を統廃合して、一部を他の公共施設に再編し整備した事例
(有楽町駅前地区)

・公共施設を統廃合して、同種の公共施設に再編し整備した事例
(芝三丁目東地区)

・道路で分断された敷地を一体化し、併せて公共施設を統廃合した事例
(金沢市武蔵ケ辻第四地区)

・公共施設を統廃合して、同種の公共施設に再編し整備する事例
(福岡市祇園町地区)

・事業前に道路を廃止し、中心市街地活性化のための用地に転用する事例
(鹿児島市中町地区)

・公共施設を統廃合して、同種の公共施設に再編し整備する事例
(京橋三丁目1地区、京橋二丁目西地区)


上記の内容をパワーポイントを使用して分かりやすくご説明をいただき、ご講演後の質疑応答も活発に行われました。
本シリーズについては、国土交通省・関係各課にご協力をいただきながら今後も進めて参ります。
第10回合同講演会の開催(平成23年2月1日開催)

都市みらい推進機構、都市地下空間活用研究会及びアーバンインフラ・テクノロジー推進会議(UIT)の三者合同による第10回目の講演会を、2月1日(火)に都市計画会館会議室において開催いたしました。今回は、まちづくり推進課の神田都市総合事業推進室長をお迎えし、『健康・医療・福祉政策と連携する新たな都市政策について』と題し、前半は少子高齢化の現状として主に高齢化に関わる問題・課題を、後半は健康・医療・福祉が連携する新たな都市政策の考え方について、パワーポイントを使用し、貴重な資料等の画像を用いてご講演いただきました。

人口は約9,000万人に減少し1950年代の水準に・高齢化率は41%と2倍に)、人口ピラミッドの変化(出生率の低下・少子化対策の必要性)、人口構造の波(各国比較・日本はM型)、市町村の高齢化率(現状では市町村規模が小さい方が高齢化率は高いが、今後は市町村規模の大きい方が増加率が高くなる)、都道府県別の予測(大都市において高齢者問題が顕在化)、高齢単身者や高齢夫婦世帯の増加、医療・介護費用の増加(高齢者の医療費が高い・2025年には推計85兆円となりGDP比10.8%:2007年比の倍)、健康寿命(余命には健康余命と不健康余命がある・不健康寿命は女性の方が長い・75歳以降自立度の低下・自立度も女性が低い)、体力の低下に伴う環境の変化(車の運転ができない・外出に不便が生じる・外出不可能により訪問看護・訪問診療が必要)、日常的な買い物のための外出はするが友人と会うための外出は少ない、活動時間・歩く時間が長ければ世界が違う(病気の抑制・歩くことは全身運動)、厚生労働省による歩行効果の検証への取組(1歩歩けば医療費0.0014円節約)、歩いて暮らすことの重要性(歩いて暮らせる・自然と歩いている・歩きたくなる)、広がりある歩行者空間の整備(歩行者が他の交通を気にせず、ゆっくり、快適に歩ける空間形成により"にぎわい"が生じる)、歩くことの健康に与える効果(「健康日本21」厚生労働省H20.4改正、他)、人口増加時は需要追従型のマクロ政策中心であるが人口減少時では質的改善のミクロ政策中心という都市政策のパラダイムシフトの必然性が生じる。


まちづくりの方向性として、様々な社会現象(100歳問題・孤独死・買い物難民・伊達直人現象)、活動の萌芽(健康のための地域づくりの総合的推進に関する省庁連絡会の発足・SWC、他)、超高齢社会におけるまちづくりの方向性(健常者主体から高齢者及びチャレンジャー等を含めた施策へ)、歩行空間を利用している速度比較(自転車からリハビリ中の人では速度の差が大きく分離が必要)、徒歩や自転車で行ける範囲に必要な施設機能(1位は病院・福祉施設、2位はスーパーマーケット:内閣府調査)、健康・医療・福祉施設と一体となったまちづくりの事例、人の流れを変える公的施設の郊外移転(病院の事例・新たな社会的コストの発生)、健康・医療・福祉のまちづくり・みちづくりによる市街地整備の方向、及びそのイメージ(歩行者から考える道路・楽しく歩ける道路)、コンパクトシティ(超高齢社会に対応するためにもコンパクトなまちづくりが必要)、富山市LRT(それまで出歩かなかった高齢者等が乗降客の2割を占める・歩くことにより健康に)、日常的に行ける範囲に必要な施設・機能の配置(計画的・非計画的)健康・医療・福祉の観点を重視したまちづくりのソフト政策の展開イメージ(目的施設へのアクセスに加え、沿道に集積する機能を活用し、魅力の創出や交流の多様化を図ることが必要)、ミクロ政策に活かせる歩行者データの具体的イメージ(人に注目・街路空間や沿道条件に関する歩行者の「つぶやき」整理)、歩行の重要性に着目した健康大国戦略の展開〜ライフ・イノベーション及びシルバーイノベーションによる歩行を中心としたまちづくり〜(ライフ・イノベーションを積極的に都市政策に導入・特に高齢者等の能力を高めるため歩行を中心とした自立的な移動(安全・安心な歩行及び公共交通利用)を可能とする都市空間・都市構造の実現を目指す。他)など興味深い内容をパワーポイントにより分かりやすくご説明いただき、質疑応答も活発に行われました。
本シリーズについては、国土交通省関係各課にご協力をいただきながら、今後も進めてまいります。