このプロジェクトの基盤は東武鎌ケ谷駅東口土地区画整理事業(昭和63年10月事業着手:市施行)。
区画整理事業で整備された3,300uの駅前広場と駅前広場を取り囲む4街区の地権者が主体となり、駅前広場とそれぞれの宅地を
一体とした整備計画を立案、この地にあって総2階の商業床を実現。市と連携・協力し賑わいのある駅前広場を整備した。
駅前整備後も地権者懇談会を母体としたNPO法人により、複数団体を統合した夏祭りの開催、クリスマスイベントをはじめとした
様々な駅前広場の管理・運営プログラムが実施されている。それらの活動が発展し、「駅前広場の植栽管理に参加したい」
という有志や地元の小・中学校、高校などによる「職場体験学習」、地元高校生による「ボランティア体験学習」なども行われている。
・土地は、土地区画整理事業によって換地、街区ごとに、地権者の発意による共同化
【先導性】
・共同化のコーディネイトをNPOであるKAOの会が主導
・B街区では不動産特定共同事業法と等価交換手法との併用、船橋信用金庫が匿名組合に対する不動産担保無しの融資、
プロジェクトファイナンスの理念にもとづく資金調達
・東京郊外の駅周辺における質の高い都市型住宅空間を実現するために、敷地単位でなく駅前空間として捉え、
その形成及び維持管理を、地権者主導(KAOの会)のエリアマネージメントで実現
・結果的に、鎌ヶ谷駅東口駅前のロータリー部の路線価は平成12年度からの下落率が比較的低い
【先導性】
・まちづくり懇談会「KAOの会」が駅広周辺街区整備の覚書締結等、まちづくりと官民連携を主導
【独創性】
・KAOの会主導で、駅前広場の維持管理やまちづくりのイベントなどを展開、例えば、地元の中学校、
高校や一般市民の参加による駅広植栽管理
・公共空間と民地内の施設管理とを一元管理。1年365日の駅前広場管理体制、植栽管理業務、
歩道清掃業務等を一体的に業務受託、効率的に運営
・駅前広場に面した分譲マンション居住者も「環境維持費」を負担することにより、鎌ヶ谷駅東口駅前という
公共空間の維持・管理に参加
・郊外駅前の特長を生かした、低層部に生活支援施設、中高層部を集合住宅とする駅前マンション
群の開発整備、 及び駅広を含む都市空間全体として一元的維持管理
【先導性】
・賑わい創出のため2Fまでを商業・公共施設を導入、生活に必要な業種を地区全体での
テナントミックスの考え方で選択、配置(※一街区のみ不調に終わる)
【汎用性】
・4つの街区ごとの開発は、景観等覚書に沿いつつ、おのおのの地権者やデベロッパーのオリジナリティ
を尊重した開発となっている。
・そういう点では、一つのマスタープランに基づく一体的・総合的な開発という事業ではなく、関係者が合意した
ガイドラインに沿って、街区単位の事業を自由度を担保して立ち上げる有機的な事業の形態をとっており、類似の地区での
汎用性も高い。