このプロジェクトは区内第1号の廃校を民間企業による運営で有効活用したプロジェクトである。
区内外から寄せられた複数の案の中から、施設活用及び運営について総合的かつ効果の高い提案を行った活用案を採択し、
「世田谷ものづくり学校(IID)」としてオープンした。
民間企業は区より5年の定期借家契約で借り受け、ものづくりに関わる事業者等にサブリースする方式をとっている。
サブリースの条件として地域貢献や、事業性などにより審査される。デザイン界をはじめ、多くの関心が寄せられ、新聞・TV
などの取材などは116件に及んでいる。
民間企業が建物をコンバージョンする際に、その事業性から日本政策投資銀行より無担保で融資を受けている。
・土地建物とも世田谷区が所有している。アールプロジェクト(株)が普通財産を定期借家契約で借り受けた。
・学校は土地、建物ともに基本的には補助金が導入されていなかったため、貸し付けが可能となった。
【先導性】
・アールプロジェクト(社)は、日本政策投資銀行の融資を受けて事業を実現。
・「学び・雇用・産業」の再生といった視点から、民間の活力を生かした新しい手法により、これらに取り組み、
新たなコミュニティづくりや地域の活性化を目指すもの。
・都内初の民間事業者による廃校活用。中学校の統合とその跡地活用を模索する世田谷区と、デザインによる都市再生を
目指す新進気鋭の民間企業のコラボレーションにより、統合閉校する中学校の校舎を定期借家して、創業の場やギャラリールーム
などに生まれ変わらせた。
【独創性】
・デザインを切り口とした新たな「ものづくり」産業の振興を図っている。また、区立小学校や保育園等に隣接している地域性を生かし、
子どもへの「ものづくり」体験事業を提供。
・ものづくり学校の活動理念は「使われなくなった校舎を再構築して、地域に帰す」こととしている(単なるオフィス空間の
提供の場ではない。)
・区へ支払う家賃を低く設定する代わりに、収益(主に転貸収入)を区民向け事業の実施等で区民還元するよう区と事業者が協議。
【先導性】
・区民向けイベント・ワークショップ等136回、来場者数27,170人、団体見学116件、マスコミへの掲載等116件など。。
【汎用性】
・使われなくなった校舎の有効活用を民間の資金や運営ノウハウを最大限活用する定期借家契約によるサブリース手法