このプロジェクトは乗降客数35万人/日の金山総合駅の北型に商店・広場・交通センターが一体
となった新しい形態の駅前広場を整備し、金山駅周辺に新たな賑わいと活気の場を形成したものである。
駅南にはボストン美術館やホテル等が入居する金山南ビルが竣工、金山総合駅の南北を結ぶ歩行者用連絡通路が完成したが、
駅北は利用客が降り立つことが少なく、街の活気は低かった。市は市道の付け替えによる一団の土地を確保。市主催の
「金山地区のまちづくりを語る会」を通じて、施設の具体的なイメージを明快に打ち出し、市と公社の共催で「金山北地区開発提案競技」
が開催した。(7グループ応募)
民間事業者の選定に当たっては賑わいの創出、事業性などを審査基準とし、事業性、チャレンジショップなどのソフト面の仕掛けに着目した。
テナント選定に当たっては周辺の商店に配慮し、飲食店の割合を3割に抑えるなどの配慮を行ったほか、年間600件のイベントを
実施するなど運営に力を入れている。
・土地は名古屋市が所有、名古屋都市整備公社が15年の事業用借地により活用。
・新たな交通結節機能およびそれと複合する交流集客機能整備に向け、駅前広場や道路などの既存都市施設の変更、市と公社間での
事業用借地や施設の管理運営委託などを組み合わせ、約3年間でオープン
【独創性】
・駅前の4車線道路を地区外縁部に付け替え、計画地区(普通財産)の一体的な活用の条件を整える。
・そのうえで、「駅⇔商業系施設+オープンスペース⇔ターミナル」の関係をつくり、人動線の集積度を高めた賑わいの場作りに成功。
(通常は、「駅⇔駅広⇔商業系施設)の関係)
・24時間の管理体制で南側の駅広と比較しても安心安全の駅前広場となっている。警備費用も各店舗より徴収。
24時間体制の警備として、安全な駅広空間を実現。
【先導性】
・都市整備公社による本格的な商業施設運営(駐車場経営)、テナントリーシング等も実践
・金山駅の北側ゾーンの活性化の先導
【汎用性】
・年間600イベントを実施するため、年4,000万円で外部委託、販促費の半分を当てる。(半月に1度の会議で公社が主体的に展開、
決定基準は賑わいを演出できるイベントか否か。)
・周辺に飲食店が多いため、飲食店は3割程度しか誘致しなかった。(金山地区全体での賑わいを考慮。)