平成17年度 土地活用モデル特別賞

放出下水処理場 上部利用施設整備事業

1. プロジェクトの概要、背景

このプロジェクトは下水処理場の上部空間を利用し、市街地において緑豊かな広場空間、 せせらぎ、市民農園を整備したものである。
当該地区はもともと住工混合で工場が立ち退いた後に高層集合住宅などが建設され人口・世帯数も漸増。 しかし寝屋川に放流先とする下水終末処理場が3つある地区でもあり、地域の住環境の改善向上ならびに区民・地域住民が 「集い・憩い・くつろげる」場所の確保は極めて重要な課題。住民の意向調査で7割近くの区民が「公園・街路などの公共的 オープンスペースにみどりのあるやすらぎの場所がほしい」と回答。住民サービスとして放出下水処理場上部空間を市民農園、 オープンスペースとした。オープンスペースには流れがあり、処理水が使われている。

2. 土地権利の働き、資金の動き

・土地、建物とも大阪市所有
・総事業費約22.6億円 うち国庫補助対象事業費約20億円

3. コンセプト、主要人物

・当該地区は近年工場の転出跡地に高層集合住宅ができるなど、人口・世帯数も漸増。地域の住環境の改善向上ならびに 区民・地域住民が「集い・憩い・くつろげる」場所の確保は極めて重要な課題
※7割近くの区民が「公園・街路などの公共的オープンスペースにみどりのあるやすらぎの場所がほしい」と回答
【先導性】
・下水処理場の機能は維持しつつ目的外の機能を付加する。適化法の取扱いから目的外使用の期限は5年。(更新あり)
・市民農園に関する実証実験。上部利用施設の目的外使用承認の申請(対 国土交通省下水道部)、整備方法については実証実験 により明らかにし、実際の施設整備に反映

4. その他(施設機能導入、運営管理など

・農園の賃料は3.5万円/区画・年、150区画の募集に対して1.8倍の応募。隣接小学校には優先的に3区画貸与。 市民農園のノウハウは鶴見区の市民農園の経験を活用。
【汎用性】
・農園の貸し出しによる収益を上部利用施設の維持管理費の一部に充当。(他都市や下水道施設以外においても整備可能な 個所は多くあるものと考えられる。)
・市民農園を近隣の学校に貸し出す等により、「ものをつくる学習」の場も提供